◎ 抵抗 R〔Ω〕とは
 抵抗とは、電流の流れを妨げるための素子で、電子回路の中には多く使われています。
 流れを妨げる意味は、過電流(大きすぎる電流)が素子に流れると壊れるので、それを防ぐためであったり、
 電圧を分ける(分圧する)ためであったりと色々です。

◎ 抵抗の読み方
 抵抗と一口に言っても、その実体はイマイチつかめない筈です。
 ここでは、安価で最も一般的な抵抗である「炭素皮膜固定抵抗器」について見ていきましょう。
 抵抗にはそれぞれ100Ω、5、1KΩ等と大きさがあり、用途によって使い分けます。
 しかし、これらの値は実物の抵抗を見ても書いてありません。
 実際の抵抗を見ると、下の画像のようになっている筈です。
 
 この色の帯を抵抗のカラーコードといい、これがその抵抗の大きさを示しています。
 カラーコードは4本の物と5本の物がありますが、ここでは4本の物の読み方を解説します。

 《 色と数値の対応 》
 カラーコードを読むためには、どの色が数字のいくつを表しているのかを覚えておく必要があります。
 以下にその対応表を示します。
           
−2−1

 上の表を使い、抵抗の値を読むためには、まず抵抗の金色の帯を右に向けます。
 この際、帯の名称を左から順に@ABとします。(金色はCとします)
 この抵抗の値は……
@A×10のB乗〔Ω〕

と、いうように表すことが出来ます。例えば、@が茶、Aが黒、Bが橙の抵抗の場合、
上の対応表から@=1、A=0、B=3だから、抵抗値は10×10の3乗で10〔kΩ〕となります。

◎ 公称誤差
 抵抗にも数値に精度があり、実際には必ずしも表示されているカラーコードピッタリの値ではありません。
 そこで、抵抗の値がカラーコードの数値とどの程度までズレているかを%で表したのが
 公称抵抗値許容差です。通常は金色の帯(C部分)がこの許容差を表していますが、
 時にそれ以外の色で表している場合があり、色によって精度が異なるので、以下に一覧を示します。
  
C部分の色 無色
許容差〔%〕 ±1 ±2 ±0.5 ±0.25 ±0.1 ±5 ±10 ±20

 この表記によると、C部分の色が金以外だった場合、どちらを基準に取るかわからなくなります。
 その場合、カラーコードが全体的に若干横にズレている筈なので、空白の大きい側がCとなります。

◎ 値の規格
 上のようにカラーコードを読むことで抵抗の値を知ることが出来ますが、
 どんな値の抵抗でも存在しているわけではありません。
 例えば、99Ωとか、1.4kΩなどは特別に注文でもしないかぎり存在しません。
 これは、あまり細かい数値で区分けしても、誤差の範囲として無意味なためで、具体的には
 E系列と呼ばれるJISの規格によって値が定められています。
 以下にE24系列の規格を示します。
 
E24系列の標準値 実際の抵抗値〔Ω〕
1.0 1,10,100,1k,10k,100k,1M
1.1 1.1,11,110,1.1k,11k,110k,1.1M
1.2 1.2,12,120,1.2k,12k,120k,1.2M
1.3 1.3,13,130,1.3k,13k,130k,1.3M
1.5 1.5,15,150,1.5k,15k,150k,1.5M
1.6 1.6,16,160,1.6k,16k,160k,1.6M
1.8 1.8,18,180,1.8k,18k,180k,1.8M
2.0 2,20,200,2k,20k,200k,2M
2.2 2.2,22,220,2.2k,22k,220k,2.2M
2.4 2.4,24,240,2.4k,24k,240k,2.4M
2.7 2.7,27,270,2.7k,27k,270k,2.7M
3.0 3,30,300,3k,30k,300k,3M
3.3 3.3,33,330,3.3k,33k,330k,3.3M
3.6 3.6,36,360,3.6k,36k,360k,3.6M
3.9 3.9,39,390,3.9k,39k,390k,3.9M
4.3 4.3,43,430,4.3k,43k,430k,4.3M
4.7 4.7,47,470,4.7k,47k,470k,4.7M
5.1 5.1,51,510,5.1k,51k,510k,5.1M
5.6 5.6,56,560,5.6k,56k,560k,5.6M
6.2 6.2,62,620,6.2k,62k,620k,6.2M
6.8 6.8,68,680,6.8k,68k,680k,6.8M
7.5 7.5,75,750,7.5k,75k,750k,7.5M
8.2 8.2,82,820,8.2k,82k,820k,8.2M
9.1 9.1,91,910,9.1k,91k,910k,9.1M

また、E24系列よりも標準値が広く区分されたE12系列やE6系列もあります。
E12系列標準値 E6系列標準値
1.0 1.0
1.2
1.5 1.5
1.8
2.2 2.2
2.7
3.3 3.3
3.9
4.7 4.7
5.6
6.8 6.8
8.2


◎ カラーコードが5本の場合
 抵抗の中には、カラーコードが5本記されている物があります。
 これは、4本の物よりも高精度な物で、公称誤差をDとして右に置いて見て、
 左から@ABCとすると、この抵抗値の値は……
@AB×10のC乗〔Ω〕

 と表すことが出来ます。つまり、数値部分が4本の時よりも1ケタ増えた形になっています。